てぃーだブログ › 沖縄はわたしの学校

【PR】

  

Posted by TI-DA at

2023年05月02日

ネモフィラの季節の終わりに

ネモフィラの開花は例年より半月ほど早く、先週始まった連休前から、近くの「ひたち海浜公園」は長蛇の列だったようです。いつも海浜公園のブログを参考に種まきをしているので、わが家の開花もだいたい同じぐらいに進みます。下の写真は昨日の庭のネモフィラ。茎が伸びて、ふんわりと広がり、終わりの季節が近づいてきたようです。


たびたび全国ニュースでも取り上げられる海浜公園のネモフィラ。長蛇の列のニュースは4月28日のことでした。同じ日の琉球新報の社説は、「4・28『屈辱の日』 捨て石、分断繰り返すな」というタイトルでした。71年前の1952年、サンフランシスコ講和条約発効の日。日本の独立と引き換えに、沖縄が日本から切り離された日です。沖縄戦は「本土防衛」の「捨て石」に、戦後は「分断」されたという歴史を忘れるわけにはいきません。

「ひたち海浜公園」のある場所は、戦時中は日本軍の飛行場、戦後は米軍の射爆場として使われました。ネモフィラの丘は射爆撃の標的があったところだそうです。悲惨な事件や事故に対する激しい抗議の末、返還されたのが1973年。沖縄の本土復帰の翌年です。終戦直後には沖縄より多かった「本土」の基地は年々減少し、米軍統治が続く沖縄の基地が増大しました。

「ネモフィラの丘」が、そういう歴史を象徴しているように思えてしまうことがあります。悲惨な事故や事件が繰り返された場所が、たくさんの笑顔であふれる花畑に変わったことは大きな喜びです。でも、沖縄の方には申し訳ない気持ちでいっぱいで、この時期に咲くネモフィラには、いつも複雑な思いを重ねます。
  


Posted by 茨城ねーねー at 23:02Comments(0)平和歴史

2023年04月24日

「イキシア」の蕾

通りすがりの方に庭の花の名前を聞かれることがあります。この時期、聞かれることが多いのがこの花。この辺りではあまり見かけません。ずいぶん前に、やっとたどり着いた名前は「イキシア」。


原産は南アフリカです。トウモロコシ畑に植えるので「コーンリリー」とも呼ばれるそうです。

以前も書いたことがあるのですが、他の花苗を買った時に偶然、球根が土に混じっていたようなのです。土を入れ替えても見過ごしそうな、とても小さな球根です。見慣れない細長い葉が出た後に、特徴のある蕾が現れました。花は何日も開いたり閉じたりを繰り返し、切り花にしても長持ちです。嬉しい「しーぶん」となりました。

霜に弱いということですが、案外丈夫です。小さな球根が植え替えの土に混じり、あちこちから出てきます。茎が長く、直立できないのが難点ですが、今年は開花時期が早まったのが幸いしました。背丈低く、あまり倒れずに咲いています。


「イキシア」という名前は、ギリシャ語で「鳥もち」という意味だそうですが、ベタベタした感じもしません。和名を「槍瑞泉」。花茎が槍のように、と言うよりも針金のように細く強く、真っすぐ伸びています。

こんな蕾の姿に、私はいつも「月桃」の蕾に少し似ていると思って見ています。花の時期もちょうど同じぐらいのようです。今年は沖縄の月桃も、もう咲いているようですね。



  


Posted by 茨城ねーねー at 22:21Comments(0)庭の植物

2023年04月21日

ハナミズキの青空

今年はハナミズキがきれいに咲いて、満開の青空が見られました。


「穀雨」の時期ですが、今日は28℃にもなり、花びらが散り始めました。先日までのスギ花粉や黄砂が落ち着いたと思ったら、今度はハナミズキの「しべ」が落ちてきます。フロントガラスはもちろん、ボンネットの中まで入り込みそうな夥しい量で、仕方なくブルーシートを掛けています。春の花びら、秋の落葉。ちょっと大変な庭の風物詩です。

ハナミズキの根元に植えているシラーが咲き始めています。高校時代の恩師であり、職場の先輩でもあったA先生に、「庭の樹はハナミズキがいいわよぉ~」と勧められ、「うちの庭のシラーをあげるわ!」と分けていただいてから、30年近くが経ちました。いつしか私は園芸の道にどっぷりつかり、今年は薄紫のシラーと白いスズランの開花をそろえることができて大満足。



  


Posted by 茨城ねーねー at 23:04Comments(0)庭の植物

2023年04月16日

「うるい」は花か山菜か?

横手からの帰り際にスーパーで見つけたのは、「うるい」でした。食べたことがなかったので、うきうきとして買ってきました。アクが無いので下処理なしで食べられますが、サッとゆでて独特のぬめりを楽しむようです。


あまりぬめりは感じず、シャキシャキという食感が残りました。先ずは塩昆布で和えるだけの簡単調理で。


春らしい色合いを楽しむために、コンソメスープでこれも簡単に。NHKの「こころ旅」で正平さんがアーサ汁を食べているのを見て、食べたくなり、乾燥アーサも入れました。


「うるい」を調べてみて、驚きの発見がありました。「うるい」とは、なんと、ギボウシの若芽のことでした。ユリ科ギボウシ属だそうです。どうりで、庭のギボウシはタケノコのように日に日に伸びると思っていました。冬の間はすっかり地上から姿を消しているのに、若芽は直ぐにこんなに伸びてしまいます。


昨年8月に花が咲いた時の写真です。


「うるい」は花か山菜か? 庭のギボウシは、あくまで観賞用の植物として楽しみます。
  


Posted by 茨城ねーねー at 10:54Comments(0)

2023年04月14日

「ひろっこ」の続き

「ひろっこ」については、Web版「あきた郷土作物研究会」に詳しく書かれていました。おさらいしながら、栽培についてまとめてみます。

6月には、ひろっこ畑に、種球を採取するためのアサツキの花を咲かせます。球根が大きくなった時に花ごと掘り取ります。束ねて8月まで陰干し。

8月には本畑に種球の植え付け。密植にするのには理由があり、秋田では曲がっていて細身のものが好まれるためだそうです。

11月には青々としたアサツキですが、やがて雪に埋もれ枯れてしまいます。ところが、雪の下では一定の地温が保たれ、新たな萌芽が始まるようです。私は以前、茨城では霜柱で枯れてしまう植物が多いのに、厳寒の秋田で冬越しできる花があるのを不思議に思っていました。あらためて、雪の下の温度の秘密を再確認しました。

12月から4月は収穫の時期。1m以上の雪を除雪して、土の中から掘り取ります。たくさんの根と土だらけの「ひろっこ」を一つ一つ洗い、根切りする、という大変な作業です。

横手では、スーパーに並んだ「ひろっこ」を嬉しそうに買い求める人たちがいました。大変な作業を想像しながら、春の味を待ち望んでいたのでしょう。


上の写真。右上は、いつも参考にしている『マンガ 秋田伝統野菜』の裏表紙。もうひとつは、秋田の伝統野菜を使った創作料理が食べられるお店でいただいたもの。ずいぶん前のものですが、素敵なデザインなので取ってありました。今回参考にさせていただいた「あきた郷土作物研究会」のサイトのタイトルバックと同じでした。
  


Posted by 茨城ねーねー at 00:12Comments(0)

2023年04月12日

山菜に「小さい春」

雪解けを待って、今年初の横手行き。でも、日曜日の朝には小雪がちらつき、春の訪れは足踏みをしているようでした。茨城に戻って来て、「小さい春見ぃつけた」という気分で、買ってきた山菜を少しずつ調理しています。


上の写真は、左から「ひろっこ」、右が「ふくたち」です。おおざっぱに言うと、「ひろっこ」はアサツキの若芽、「ふくたち」は白菜の新芽。「ひろっこ」は島ラッキョウを小さくしたような形で、「ふくたち」はミニミニ白菜です。

昨晩の夕食には、「ひろっこ」。横手出身の夫曰く、「『ひろっこ』と言えば酢味噌和え」だそうです。王道の食べ方ですが、お肉と炒め合わせてもおいしいです。


もちろん、茨城に「ひろっこ」はありません。秋田では小さくて可愛いものに「こ」を付けます。「犬っこ、わらしっこ、お茶っこ、芋のこ…」など。「ひろっこ」は「野蒜」のことでしょう。

自生の「ひろっこ」は「野蒜」でも、現在栽培されているのは「アサツキ」の若芽とのことです。調べてみると、「ひろっこ」栽培はとても手間暇のかかることがわかりました。驚いたり感心したりすることがたくさんあったので、明日続きを書きます。
  


Posted by 茨城ねーねー at 23:31Comments(0)

2023年04月07日

再びの白いネモフィラ

それは、四つ葉のクローバーを見つけた時のような喜びでした。

先日書いたように、青いネモフィラに混じった白いネモフィラは突然変異ということでした。その種を蒔いても白花は出ないそうですが、諦めきれずに種を蒔き、やっぱりだめでした、という報告をしたばかりでした。それが、突然の幸運!


やっぱり確率の問題なのでしょうか? それならこの白花の種を今年も蒔いたら、確率はさらに上がるのかもしれません。

そして、青花の種だけを蒔いたプランターにも、白花発見! 春の嵐のような風も吹きましたが、白花日和でした。



  


Posted by 茨城ねーねー at 22:19Comments(0)庭の植物

2023年04月06日

名残りの桜

桜の季節もそろそろおしまいです。こんなに早くに咲いて終わってしまったのは初めてのことでした。いくつかのお花見の時を過ごして、最後は近くの公園。昨日写真に収めてきました。おそらく、咲いているのはこの樹だけです。残りわずかの花をパチリ。


桜の花びらの絨毯には、タンポポの黄色い花。


雪柳が白くなり始めていました。晩年の母の車椅子を押して歩いた時は満開の雪柳でした。


なんて贅沢な吹き溜まり。子どものころ、母は花びらを集めて針と糸で首飾りを作ってくれました。今にして思えば、これもなんて贅沢な時間。


風が吹いて、ころがるように花びらが流れてきました。明日からのお天気は下り坂で、この光景も見納めかもしれません。


この公園では、年々介護施設のお花見が増えています。先日、廃校になった小学校を通りかかった時も、そんなお花見に出会いました。車椅子の方たちが大勢で桜の樹を囲んでいるところでした。笑顔にあふれた校庭は、きれいに手入れされていました。

沖縄ではシーミーが始まりましたね。那覇バスの運行経路も変更になるとか。久々のにぎやかなシーミーがお天気に恵まれますように。
  


Posted by 茨城ねーねー at 14:08Comments(0)自然

2023年03月30日

四か月後のネモフィラ

この時期、種蒔き一年草の姿には、「やったー!」だったり、うなだれたり。それこそ一喜一憂の時期です。

茨城での花育てには、少し難しい点もあります。温暖地と寒冷地の境目なのだと思います。一年草の場合、春蒔きと秋蒔きがありますが、種袋の説明書通りにはなかなか進みません。ネモフィラもその一つです。

温暖地では秋蒔きとされているネモフィラ。春早くに花を見ようと思ったので、今回は11月上旬に蒔いてみました。庭植えでは霜で弱ってしまうのは経験済みなので、プランター植えに。下は今日の写真です。途中までは順調でしたが、開花するころには下葉が茶色くなってしまいました。


ここ何年か続けている、ひたち海浜公園方式。11月下旬か12月上旬に直播きして、霜除けシートで冬越しです。海浜公園では日当たりの良い丘の上ですが、わが家では霜柱の立たない東側の軒下がベスト。 下は今日の写真ですが、プランターよりのびのび、青々と葉が繁っています。海浜公園の満開は4月中旬とのこと。うちの庭も同じぐらいになりそうです。距離的に近いので、やっぱりこの方式がいいようです。


昨年、青い花の中に白い花を見つけました(11月25日の記事に写真があります)。突然変異で、蒔いても白花は咲かないということでした。確率的には低くても、もしや、と思い、特別枠で育ててみましたが、やっぱりすべて青花でした。いちだんと濃い青のような気がします。



  


Posted by 茨城ねーねー at 22:44Comments(0)庭の植物

2023年03月22日

小さな花が光を浴びて

穏やかな光を浴びて、地面近くの小さな花が開いてきました。冬枯れの景色を引きずっている庭には、光を遮る背の高い植物の姿はまだありません。充分日の当たる春先に、土の中から顔を出す花たちです。

ムスカリは光の方へ傾きながら。


ヒメリュウキンカの花は、光を浴びた時に透明に輝きます。緑が蕾で、黒いのが葉です。


タンチョウソウの成長は目を見張る速さです。すでに、先に芽を出した原種チューリップの葉を追い越しています。


クロッカスの花は小さくありませんが、地面近くで光を充分に受けて開きます。


冬の間は跡形もなく消えてしまうので、再会の嬉しい花たちです。
  


Posted by 茨城ねーねー at 23:22Comments(0)庭の植物

2023年03月18日

ぼた餅と「いちご大福」

すっかりご無沙汰しました。今朝は久々に雨の音で目が覚めました。一日中冷たい雨の彼岸の入りとなりました。

お彼岸のぼた餅作りもすっかりご無沙汰でした。だいたい市販のこし餡で作っていたのですが、今年は小豆を煮てからのスタート。煮た小豆をミキサーで混ぜると簡単にこし餡ができると聞いていたので、試してみました。皮もほとんど気にならず、家族用としてはお手軽です。仏さまはどう思われたか…。

ぼた餅の残りの餡は、いちご大福に。こちらもずいぶんとご無沙汰していたので、見た目が残念になってしまいました。


従来、「沖縄での苺栽培は無理」とされていたそうです。昼間の温度抑制と夜間冷房が不可欠で、栽培は困難を極めた、ということです。でも、研究が進み、最近は観光農園が人気だというニュースも目にします。茨城では昔から苺栽培が盛んで、春の遠足では「いちご狩り」が定番のコースです。

最盛期を過ぎた苺は小粒で甘みも弱くなり、そろそろ今年は終わりかなと寂しくなります。そんな小粒苺は、ジャムにしたり、今日のように大福にしたりしています。



  


Posted by 茨城ねーねー at 23:06Comments(0)

2023年03月07日

ウマチーと啓蟄

タイムスカレンダーを見ると、昨日は旧暦の2月15日。「二月ウマチー」と書かれていました。「ウマチー」は「お祭り」ですね。「麦の初穂を仏壇に供えて祈る」という説明がありました。琉球王朝時代の「麦稲四祭」のひとつで、2月3月は麦、5月6月は稲や粟だったようです。沖縄では、もう麦の実りの季節なのですね。

「旧暦15日なら、満月かな?」と思いましたが、満月は今日でした。こちらでは、昨日も今日も、東の空に大きな月が見えました。月のことを思い浮かべていたせいか、水に浸していた切り干し大根が戻るにつれて、満月になっていくように見えてしまいました。


出来上がったものは、左が煮物。右は、はりはり漬けです。


昨日のカレンダーにはもうひとつ、「啓蟄」の文字。今日の庭では、クロッカスが表情豊かに開いていました。虫も草も、いよいよ活動開始です。



  


Posted by 茨城ねーねー at 23:13Comments(0)伝統行事

2023年03月02日

3月1日のチューリップ

牟礼慶子さんの詩、「見えない季節」の一節。
「できるなら 日々のくらさを 土の中のくらさに似せてはいけないでしょうか …ともあれ くらい土の中では やがて来る華麗な祝祭のために 数かぎりないものたちが生きているのです その上人間の知恵は 触れればくずれるチューリップの青い芽を まだ見えないうちにさえ 春だとも未来だとも呼ぶことができるのです」。

教員をしていたころ、何度か、卒業する生徒たちへのはなむけの言葉として贈ったことがありました。その頃も、今も、この詩は自分自身にも向けられた祈りのような言葉です。

鉢に植えたチューリップ。3月1日の昨日、もう青い芽の時期は過ぎていました。


植えっぱなしの原種チューリップ。霜柱から守っていた腐葉土をよけてみると、細い葉が埋もれていました。


別の原種チューリップも、アガパンサスの株近くで細い葉を伸ばしています。手前の濃い緑の方ははシラーです。


いつのまにかチューリップの春がやって来ていました。
  


Posted by 茨城ねーねー at 23:12Comments(0)言葉庭の植物

2023年02月20日

花粉と共にクリスマスローズ

洗濯ものを取り込んでいる時に、「クション」。すでに花粉が飛び始めていることは天気予報で聞いていましたが、初くしゃみでした。

花粉の季節はクリスマスローズの開花時期と重なります。長い蕾の期間を過ぎて、数日前にカパッと開いた一番花。北風の中、今日は二つめの花が開きました。一番花に守られるように咲いています。もう10年ぐらい前から育て、数年前に株分けしましたが、株が弱っているようです。


真っ白なクリスマスローズの花を継ぎたいと思い、やはり数年前に種も採りました。すぐに蒔いて、翌年の2月に発芽。何カ所かに分けて植えましたが、夏の日差しで枯れてしまったものもありました。発芽してから2~3年。冬には葉を落とすハクロニシキの根元に植えたものが比較的元気そうです。気の長い話ですが、見守り続けようと思います。



  


Posted by 茨城ねーねー at 22:31Comments(0)庭の植物

2023年02月16日

たがね餅揚げ

高温と湿潤という沖縄の気候に対して、茨城の冬は低温と乾燥です。その特徴を活かしたのが「干す」という食文化ではないかと思っています。

今では「干し芋」が有名になりました。子どものころは、農家の知人から手作りの干し芋をいただきました。そのころは「乾燥芋」と言っていましたが。私の家では冬に「干し餅」を作るのが恒例でした。これは「かき餅」と言っていました。

長い間知らずにいたのですが、「たがね餅」は茨城の郷土料理だそうで、もち米とうるち米を混ぜてついた餅です。今年も作りました。半月ほど干して、かき餅が出来上がりました。昨年1月の記事に、作り方を書いています。よろしかったらご覧ください。


餅は天日に干すと折れてしまいます。室内で干していたのですが、それでも割れて小さくなってしまったものを昨日揚げました。


こちらでは、揚げ餅は(普通の餅でも、たがね餅でも)、子どもから大人まで、ついつい手を伸ばしてしまう人気者です。「どうしても後を引いてしまうのよね~」と言いながら。
  


Posted by 茨城ねーねー at 11:14Comments(0)

2023年02月13日

沖縄戦と黒砂糖

沖縄の食文化を知ることは、とても楽しいことに違いないのですが、外間守善さんの本の中で、黒砂糖に関する話には悲しくなりました。

島くとぅばで「クルジャーター」と呼ばれる黒砂糖。お使いの御駄賃にもらう紙に包んだ黒砂糖、ミークファヤー(朝起きや昼寝の目覚めに食べるという沖縄独特の風習でしょうか)としての黒砂糖、病気の時に飲んで力が湧いてくるサーターユー。いつも身近にある食べ物だったようです。

でも、戦時中の黒砂糖は、「クルジャーターの思い出は懐かしくて切ない」というものに変わってしまいました。昭和19年、弟や妹は、それぞれ学童疎開船に乗ったそうです。先に疎開先に着いた弟の許にアルマイトの弁当箱に詰めた妹の黒砂糖が届き、弟が全部つまみ食いしてしまっても、「本当の持ち主は疎開先にたどり着くことはなかった」そうです。妹の乗った疎開船は対馬丸でした。

「沖縄戦の最中は、さとうきびでどれほどの命が救われたかわからない」と記している外間さん自身、「きびにありついて命をつないだ」そうです。甘い汁で咽喉を潤すことのできるさとうきびは、水の少ない戦地で「命の綱」となるものですが、キビ畑で米兵に襲撃されて亡くなった親族もいたそうです。

「黒砂糖」の話は、「キビにまつわる辛い思い出である」という一文で終わっています。
  


Posted by 茨城ねーねー at 23:01Comments(0)

2023年02月10日

『沖縄の食文化』

『沖縄の食文化』を読んでいます。『沖縄の歴史と文化』で知られる外間守善さんの最後の著作だそうです。2010年に刊行された本が、昨年文庫化(ちくま学芸文庫)されました。食を巡る思い出とともに、沖縄の食文化と歴史が親しみやすく書かれています。たくさんの方に読んでいただきたいと思い紹介します。


本を読みながら、あらためて気づいた沖縄の食文化の独自性が数多くありました。「沖縄の独自性」だと思っていたものが、実は「世界の普通」なのかもしれない、と考えながら読んでいます。

魚料理を例にとってみます。前回の投稿で、節分の鰯の臭いを懐かしいものとして書きました。私の記憶の中で、近所の家から焼き魚の臭いが流れてくるのは、よくあることでした。春の節分のころには鰯、秋には秋刀魚、というふうに。それが普通だと思っていました。

ところが、「沖縄では魚でも揚げ物、煮物が多いが焼くことは少ない。焼き魚はない、という方が正しいし、それは『世界の普通』である」と書かれていました。沖縄料理の本で「マース煮」はよく見かけるけれど、焼き魚は見ないという感じを持っていました。やはりそうだったのか、と思いました。

四方を海に囲まれた沖縄で、海産物の食文化が成熟していないのは、「一つには高温多湿の気候が鮮度を保つのを邪魔しているからであろう。また、北の魚のように脂ののりもよくない。沖縄で焼き魚が発達しなかったのはそのためであろう。」とも書かれていました。

東京暮らしに慣れた外間さんが、焼き魚を所望したところ、「首里の私の下宿の小母さんは煮魚と焼き魚の区別がつかず、往生した思い出もある」というエピソードも添えられていました。

普通とは? さまざまな場面で考え込んでしまうこともありますが、食の「普通」を考えることは楽しいことです。
  


Posted by 茨城ねーねー at 13:53Comments(0)

2023年02月03日

鰯の匂い、大豆の香り。

節分の鰯。思い付きで作り始めた鰯のトマト煮込みも5年目ぐらいです。すっかりわが家の定番となりました。作り方はいたって簡単。たっぷりのオリーブオイルを入れたフライパンにニンニク、ジャガイモ、玉ねぎ、丸干しの鰯を入れ、蓋をして5分。庭の月桂樹の葉も。焼き色がついたら裏返して5分。トマトとコンソメを加えて10分。塩コショウで味を調えて完成! 今回は大豆を入れずに作りました。


今年も、コープのグリーンボックスに大豆の「しーぶん」がついてきました。栗原はるみさんのレシピを参考に、炊き込みご飯にしてみました。大豆を12分ぐらい、軽く色づくまで弱火で炒る、と書いてあったので、12分。このぐらいの色合い。もう少し炒りました。


炊飯器に米2カップと、炒り大豆、油揚げ、戻した干しシイタケ(はるみさんレシピでは舞茸)を入れて、砂糖、みりん、しょうゆ、酒と出し汁を合わせて2カップにして炊きます。炊き上がったところに炒ったシラス(はるみさんレシピではちりめんじゃこ)を入れて混ぜます。大豆の香りがふわ~っとしました。


子どものころは、鰯の頭と柊の葉を挿している家もありました。豆まきの声も聞こえてきました。どちらも今はほとんどなくなりましたが、来年もわが家の換気口からは鰯の匂いが流れ、食卓には大豆の香りが立ち昇ることと思います。
  


Posted by 茨城ねーねー at 22:22Comments(0)伝統行事

2023年01月27日

ブーゲンビリアの三ツ星

先日の猛烈な寒波は、水戸にもマイナス6℃の低温と積雪7cmをもたらしました。それよりも、日中の最高気温が0.9℃というのはあまり記憶がありません。

駐車場の雪掻きをしようとして、絵に描いたような尻もちをつきました。今になれば笑えますが、転んだ時はかなり気が動転してしまいました。スノードロップの心配どころではありませんでした。幸い打ち身程度で済みましたが、打ちどころが悪かったらと思うとぞっとします。

以来、こもっておとなしくしていますが、部屋のブーゲンビリアが満開になりました。ツツジの盆栽のようですが、ブーゲンビリアです。


満開のように見えますが、赤紫の部分は苞葉で、中心の星形の白いのが花です。ところが、3つある蕾がすべて開くことはあまりありません。秋までは戸外で育てているのですが、その時は3つ咲きそろいます。やはり温度、日照の違いなのでしょうね。これだけ咲いても三ツ星はたった一つです。


今年の琉銀カレンダーにもブーゲンビリアが見えます。三ツ星が描かれています。「やっぱりブーゲンビリアは三ツ星でなくちゃあ」、と思います。


今夜も雪の予報が出ています。
  


Posted by 茨城ねーねー at 22:00Comments(0)庭の植物

2023年01月23日

旧正月もスノードロップ

元旦に咲いていたスノードロップは、旧正月にも開いています。花数が少し増え、緑のハート模様も見えています。


昨年も、やはり同じように咲き続けていたようです。昨年の旧正月は2月になってからでした。2月2日のブログ(→こちらです)では、伝統的な正月の挨拶として、高良勉さんの本で知った「いい正月でーびる、若くなみそーちー」という言葉を紹介していました。「よい正月ですね。若く生まれ変わりましたか」という意味で、私は「来年の今ごろ、スノードロップにそう挨拶してみたいと思います」と書いていました。

庭のスノードロップはなかなか増えません。ホームセンターの球根売り場でも年々スノードロップの数は減っているので、この辺りの環境にはあまり向いていないのかもしれません。

スノードロップの増やし方としては、球根を分球することで2年後、種を蒔くことで4年後ぐらいの開花とされています。私の庭の場合、分球するほど育っていません。数年前から実が出来ているのを見つけ、種が自然にこぼれるのにまかせています。


でも、今年は少し増えていると感じています。「若く生まれ変わ」った株があるのだと思います。明日からの猛烈な寒波に負けないでほしいと願っています。
  


Posted by 茨城ねーねー at 13:01Comments(0)庭の植物
< 2024年05月 >
S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 6人